第153章 長谷川栞、お前はいったい何を期待している?

病室の外にいた森川は、さっきよりも大きな泣き声が漏れてきた瞬間、胸がざわついた。慌ててドアを押し開ける。

「若様、どうされました? どこかお加減でも……いま先生を呼んできます」

そう言いながら中野蓮の肩に手を添え、横にならせようとする。自分はそのまま医師を呼びに行くつもりだった。

「うぅ……ち、違う……うぅ、からだじゃなくて……ここが、つらい……ママに会いたい……うわぁぁ……」

泣きじゃくるせいで言葉が途切れ途切れになる。

森川は返す言葉を失った。

体調なら医師を呼べばいい。だが「ママに会いたい」と言われても、どうしようもない。

社長ですら奥様を連れて来られないのに、自分に何が...

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